Classiques japonais avec furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
緑苔低徊
「わが流は天下を治むるの兵法ぞ」
と、末枝の勝敗にのみ走ることを誡めていたし、また、その子の但馬守宗矩に師事した将軍家光も、
「天下統治の大法は吾れ宗矩について其の大要を得たり」
と常に語っていたということである。
その宗矩が、諸侯に剣道を授ける時には、「見国之機」という言葉を非常に大事に説いていた。即ち、一国の情勢を観、世の治乱興亡の活機を敏察する心術を、剣に依て悟らしめたのである。
それらの達人の理想するところを窺ってみると、一国の経策も、一剣の修行も要するに同じもので、政剣一如という高所を目がけていたものである。
誰の語であったか、古来剣の六則としていわれてきた言葉にこういう一章がある。
――庶人是を学べば則ち家を治め、君子是を学べば則ち国を治め、天子是を学び給へば即ち天下を治め給ふ。庶民より王侯君子にいたる総て其の道たるや一
緑苔低徊
それはそうと私は今、武蔵塚で話しかけられたまったく不見不識の三名の案内者と、観光局長以下市の吏員たち、また東京以来同伴しているN画伯などの同勢七、八名でどやどやと、今は細川氏の別業となっている泰勝院の門内へ入って、寂とした緑苔の庭に立っている。