Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

泥鰌を捕る少年

「名は存じませぬ」

「では、ここへ伴れて来て見ぬか」

座を立った武蔵が、少時あって伴い来ったのは、都甲金平という藩士であった。

後年、江戸城修築の賦課が諸侯に命ぜられた時、肥後藩においては都甲金平が宰領して事に当ったが、なにかの行き違いから、都甲金平に石盗人の嫌疑が懸り、幕府の獄に投ぜられた。

日夜、言語に絶する拷問が加えられたが、金平は毅然として潔白を主張し続けた。そして遂に冤として放免せられた事件があったが、この時の拷問に耐えた金平の態度は、実に壮絶を極めたものらしい。

彼は心胆を煉るため、毎夜、細糸を以って白刃を天井につるし、その下に眠るのを常としたという。

英雄、英雄を知るというべきであろう。

泥鰌を捕る少年

ひと年、武蔵は出羽の国を旅していたが、正法寺ヶ原へ差しかかると、路ばたに泥鰌を捕る十二、三歳の童があった。

「今宵の糧に、少し分けてくれぬか」

武蔵が声をかけると、童は快く手桶を差し出した。武蔵は手拭を取り出して、少しばかり包もうとする、童はそれを見て、

「折角旅人が乞わるるに、何を物惜しみ申すべき――」

と、手桶を置いたまま、すたすたと立ち去ってしまった。