Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
武蔵の肖像画
――と、碑前に立って、春山和尚の撰文に首を上げたままでいる私へ、朝日支社のN氏がいう。
――ははあ、そんな肖像画があるんですか。
と私がすぐ足を近くの茶店へ移してゆくと、N氏はあわてて、
――いや、肖像画といっても、宮本家(小倉の伊織系)に伝わったものの写しだそうですがね。
と、云い直した。
写しでも何でもよい。一見さして貰いたいと私はN氏へ頼んで閉っている茶店をのぞいた。自画像だとか、何処に伝わった物だとかいっても、武蔵の肖像画のほとんどといっていい物がみな伝写物なのだから、私の求めるのは、その題語に何か変った人の書でもないか、或は伝写にせよ、年齢風貌の異なっている物ならば、それからまた、その原図を想像し、武蔵のべつな風貌や年齢などの空想に資することができるが――ということだけに過ぎないのだった。
それと、小倉の宮本伊織の家筋に伝来されて来たという肖像画の真物は、熊本に伝わっている肖像とちがって、赤羽織を着て、長刀を座側の刀架けに懸け、筆を持って坐っている武蔵の坐像であるということをかねがね聞いていたのである。
大小二刀を左右の手にさげて屹立している立像は、熊本の伝来で、彼の「武」