Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
足蹴はもうやんで、男たちの問答になり、三人は捨てぜりふを残しながら去っていった。残ったのは町内の人たちだろう、「けがはないか」とか、「どこの人か」などと得石に呼びかけた。――得石は豊島屋の門七を呼んでもらった。なにかかぶる物を持って来るようにと頼み、いまの三人はこの町内の者かと訊いた。町内の者でもなし、この辺ではみかけない人間だということだったが、「豊島屋」という名が出ると、その人たちは急に冷淡になり、私は用があるから、いや私もそれでは、などと云ってたち去ってゆくようすだった。
「どうぞ豊島屋へお願いします」と得石は云った、泥まみれなのでうっかり眼もあけられず、伝言にいってくれたかどうかもわからないので、彼はまた心ぼそくなったのである、「お礼は致しますから、済みませんがどうかことづけをお願いします」
「おまえから礼なんぞ貰いたかあねえ」とさびのある声で云うのが聞えた、「ことづけにはいったから安心しねえ」
町内のかしらだな、得石は思った。やがて門七が来、頭から雨合羽のような物をかぶって、ようやく彼は立ちあがり、誰にともなく礼を述べると、門七の手に支えられて歩きだした。