Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

京吉はそう応酬していたが、しかし顔色は蒼白になっていた。

「――バクチは負けるほど、面白いんだ」

半ば自分に言いきかせながら、京吉はガメっていたが、テンパイになった途端に、いつも上りパイを押えられていた。

北北(ペーペー)の風が廻って来た時、京吉に北が二枚あった。紅中(ホンチュン)が二枚。うまく行けば、スー(四)ファンの、満貫(マンガン)に近い手で上られる。

「しめたッ!」

と、叫びながら、京吉は投げキッスの泰助が捨てた北のパイをポンして、泰助に向って、

「チュッ!」

と、キッスを投げた。

その時倶楽部の会計で金を払っている若い男の革の財布が、京吉の眼にはいった。

その財布に見覚えがある!

「あッ!」

おれの財布だと、京吉が起ち上ろうとした途端、グッドモーニングの銀ちゃんが紅中(ホンチュン)を捨てた。

「ポン!」

京吉は威勢よく声を掛けて、

「――これは貰わずに置くものか」

パイを拾いながら、もう財布どころでなかったが、急に隅の方のソファに坐っていた靴磨きの娘を呼んで、何ごとか囁いた。

二

「オー・ケー」

娘は弾んだ声でうなずくと、いそいそとその男のうしろから祇園荘を出て行った。