Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

八

夜が明けると、銀ちゃんは拝むように、

「どこかへ行っていてくれ」

「どこへ行ったらいいの。行く所ないわ」

「活動でも何でも見て来たらいいだろう。三時にセントルイスで会おう。相談はそれからのことだ」

とにかく、ここにいてはまずいと、無理やり女を追い出した。しかし、三時に会うても何の話があろう。いい思案もうかばぬことは判り切っていたから、会うのが辛かった。

イーチャンが終ると、柱時計を見上げて、五時を指している針を見た時、だから銀ちゃんは軽い後悔と共に、何か諦めた安心感を感じたが、実は時計は故障で停っていたのだ。まだ三時半だった。間に合う。いかねばならない。しかし、もうイーチャン打って、ずるずる時間を延ばすことが、この際のごまかしだった。

無理に京吉をひきとめていると、風のようにふわりと一人の男がはいって来た。あッ。

坂野だった。

八

北(ペー)の風から良い手のつき出した男らしく、京吉はもうイーチャン打つことには十分食指が動いていた。が、セントルイスで待っているカラ子のこともあった。

だから、銀ちゃんにすすめられて、ふと迷っていた。その矢先の坂野の登場であった。