Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

五

女と関係しながら、恋だけはもっと素晴しい女とするんだと夢を抱いて来たのだ。そして、陽子となら恋が出来そうな気がした。いや、もう恋になっているかも知れない。すくなくとも恋心めいたなつかしさは感じていた。だから、ほかのダンサーとは踊っても、陽子とは踊ろうとしなかったのだ。抱いて踊るには、陽子は京吉にとって余りに処女であった。どんな女にも生理的に抵抗できない自分の踊りの技巧の中へ、陽子だけはひきずり込みたくなかったのだ。

「誘拐するにも、おれ金がねえや」

むろん娘にもない……と苦笑すると、娘は、

「あたいお金持ってる。あたい今日インフレやねン」

五

京吉はケラケラと笑った。

いくら持っているか知らないが、どうせ靴を磨いて稼いだ金のたかは知れている。それを、あたい今日インフレやねンという娘の言い方は、昨夜からの京吉の憂鬱を瞬間吹き飛ばして、京吉も噴き出しながら放浪の思いつきがもう一種の快感だった。

陽子への面あてが咄嗟に放浪を思いつかせる――この衝動的な破れかぶれは、ませてはいても二十三歳という歳のせいか、それとも教養のなさか、身についた野性の浅はかな動きだろうか。