Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

おほほほ……。認識不足だわ」

どうも言っている言葉がいちいち場違いにチグハグだったが、それよりも、受話器を通すと、ガラガラした声が一層なまなましく乾いて、あわれな肉感味を帯びているのが、たまらなかった。

「誰かさンて、誰だ」

「多勢いるから判らないんでしょう。えーと、あの人じゃないの。えーと、陽子さん! あれからまた掛って来たのよ。もう京都にいないって言ったら、絶望的だったわよ。おほほ……」

「…………」

「あんた、まだ京都にいたのね」

「はい、恥かしながら、パイパンで苦労してます」

「パイパン……? 何よ、それ。――京都にいるなら、リベラル・クラブへ一緒に行ってよ。今晩五時、発会式よ」

「どうぞ、御自由に」

「あら。一人じゃ行けないわ。会員は同伴、アベックに限るのよ。素晴らしいじゃないの」

「そんな不自由なリベラル・クラブよしちゃえよ!」

電話を切ろうとすると、

「あ、ちょっと、ちょっと、用事まだ言ってないわよ」

「何だ……?」

「おほほ……」

「ハバア、ハバア!」

「せかさないでよ。今、代りますから。あたしはただお取次ぎよ」

おほほ……と、笑い声が消えると、誰かが代って電話口の前に立ったらしく、息使いが聴えた。