Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans
だから、見ている露子の方でも、何の感慨もなかった。美しいとも、醜いとも、感じなかった。露子はただその握り方に、自分が銀座でやろうとしているキャバレエへ貴子が出してくれる資本の額を計算していた。
どうやら、貴子はキャバレエの話には大して乗っていないらしい。が、せっかく京都まで来て、その日のうちに東京行きの汽車に乗せてしまうという早業に成功した限り、キャバレエの話にも乗せずに置くものかと、露子は意気込んでいた。そのためには、この旅行で貴子がさんざんたのしんでくれることが好ましい。
「さんざん見せつけたのじゃないの。おごる代りに資本を出しなさいよ。ね。気を利かせっぱなしじゃ、合わないわよ」
という科白を用意しながら、露子はわざわざ貴子と春隆を二人並ばせて、自分は別の座席へ遠慮したのである。
京都駅で春隆に紹介された時も、
「侯爵を燕にするなんて今時悪趣味じゃないの」
と、皮肉りたいところだったが、じっと我慢して、
「――ちょっとハンサムね」
という言葉で、貴子の耳をくすぐったりした――それも商売人が資本主との会談に芸者を当てがうというあの心理からだったのだ。