Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lisez 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 903 caractères · 213 écrans
茉莉のアパートを出た京吉は、わびしい顔で河原町の雑閙の中を歩いていた。
京吉には両親の記憶はない。兄弟も身寄りもなく、祖母の手に育てられたが、中学校三年生の時にたった一人の肉親のその祖母もなくなり、天涯孤独となった身は放浪生活に馴染み易く、どこへ勤めても尻が落ちつかず、いまだにきまった職がなかった。
しかし、十六の歳に十も年上の未亡人に女というのを知らされてから今日まで、彼の美貌と孤独な境遇と無慾な性格に慕い寄る女たちの間を、転々と移っている間に、もう自分はどんなことがあっても、この顔さえあれば女は食わせてくれるという自信がついた。
いわば一見幸福な男だが、しかし、このわびしさは何であろう。
日曜日の朝の親子連れの姿を見て、ふっと自分の孤独を知らされたからだろうか、それとも……。
転々と女から女へ移った――というより、移されて来たが、恋は知らなかった。誰からも好かれたが、誰をも好かなかった。そのさびしさだろうか。しかし、そのさびしさの底には、昨夜到頭お通夜に来なかった陽子のことがなかったとは、いいきれまい。
うかぬ顔をして、三条河原町の朝日ビルの前まで来ると、京吉はいきなり、