Classiques japonais avec furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
また、当時の彼は、農になって鍬を持っても、商工業者にかくれて身を落しても、いつでも風雲の機会さえあれば、野望を持てるという信念があるので、決して、今の人間の没落のように零落を考えたり身分にこだわっていないのである。
前の新免家の六人衆などでも、馬の草鞋を作って生活しているうちに、小倉の細川三斎公の耳に入って、
「不愍である。取立ててやれ」
と、召出された。
ここがちょっと「話」になるから、ついでに書いておく。
細川家では、そういう零落している侍たちなので、六人へ対し千石を与えるといった、かなり慈悲なつもりであったろう。
ところがそのうちの六人衆上席の内海孫兵衛の老母が、
「いかに零落したればとて、一名二百石に足らぬ禄にて奉公さするは忍びがたい」
といって断わってしまった。
細川家では、六人のその身分を正して、内海にはべつに高禄をやることにした。そして城内へ召出したが、苦労人の老臣が三斎公に向って、
「彼らの家は、よほど零落もひどく見うけますれば、城内へお召寄せの前に、手当をおつかわし下さらぬと、服装などもいかがあろうかと思われますが」
といった。三斎公は笑って、