Classiques japonais avec furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
とにかく由縁ある土地ではあるし、かたがた、無根な話とも思われないのである。
それらのことを今、私がここに云い並べるよりは、小倉郷土会の主催にかかる「武蔵座談会」の席で、同地の郷土史研究家たちへ話した地元の古老向井氏の談の一節のほうが、遥かに分りよいし、実感も伴うわけだから、無断ながらここに引用さしていただくと。
(向井老の談)
……あの碑を田向山から今の延命寺へ移転いたしました当時、私はちょうど区長を務めておりました関係から、知っとるだけのことをお話致してみますが、明治二十年にあそこへ砲台を建設するために、碑を掘り出したのであります。それに使った男が二人、ひとりは金ひとりは仙と申しました。
座談会へ出て話せというお話がありましたので、昨日私は、その二人の家を訪ねて行ってみましたところ、二人とももう故人となり、そのうちの仙の息子に会いまして、訊ねましたところが、何も記憶はないが、その時拾って帰ったという一文銭を保存していると申しまして、此処に持参したものを貸してくれました。(青錆となった古銭の破片二、三を示す)
私もその当時の職掌がら、多少お世話もし、報告を受けていたわけでありますが、何でも碑の下を掘ったところ二つの大甕が現われて、その一つの石ブタを開くと、大たぶさを結び、紋服を着た大男の遺骸が、澄んだ水に浸っ