Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
とにかく折角こういう宿題の物が出たのに、わけもわからず流転させてしまうのは惜しいし、以上の興味もあったので、仲介の云い値にまかせて私は手許に取っておいたが、さて毎日の新聞原稿にも追われているのに、面壁の祖師と睨めくらもしていられないので、いつか突っ込んだまま忘れ果てていると、ちょうど星ヶ岡茶寮の林柾木氏が、美術研究所の脇本楽之軒氏に会う用事があるとかで立寄られたので、序といっては申し訳ないが、ひとつ鑑ていただけないかと云って託した。
その前に私は、京大図書館で近衛家の文書史料を調べている井川定慶氏に宛てて、いったい東寔とはどこのいつ時代の僧か、また、前法山とは何の意味か、ひとつ君の該博を以て調べてくれないかと依頼しておいたが、なかなか返辞が来なかった。
井川君は元、知恩院の住で、僧籍で大僧都の肩書まである半俗半僧の碩学だし、その方面の智識なのに、その井川君でも分らないとすると、これは難物にちがいない。ことによると、幅の紙質が古くても朱泥がどうでも、或は案外近世の無名の坊さんが、ひょっと書いたりしたものじゃないか。出が寛永寺の縁故の所だし、東寔と東叡山とも、こじつければこじつけられない気もしないではないし――などと根気のない私はそろそろ匙を投げかけていた。