Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

それよりも、菊ちゃんは、どうして今時分来られたんだい。金春の家で、探していやしないのか」

「いいえ、お客さんに、お座敷を付けて戴いたの。……そんないいお客さんを、兄さん達はこの間、酷い目に合わしたのね」

「あの黒眼鏡か」

「え」

「だってあいつは、掏摸だもの。それにどやしてやる理があるんだから」

「違うわ、あんないい人はなくってよ。わたしが、せめて病院の外から、おっ母さんのいる窓の明りでもいいから見たいと言ったら、俥屋をよんで、お座敷をつけてくれて、病院の灯を見ておいでと言ってくれたのよ。……私、ここから、あの窓の灯を見て、お祈りをしていたの」

「おれも、おっ母あに会いたくって来たんだけれど、どうしても、会わしてくれやがらねえ。――よし、菊ちゃん、もう少しそこに待っていな、もういちど行って、何とかしておっ母あにおめえが見舞に来たことを話してやるから」

トムはたちまち駈けて行って、前の小使室をのぞきこんだ。電気が消えて、錠がかかっていた。彼は安心したように、病院の横へ廻って、物干場に渡してある、すべての綱と竹竿とを、こッそり裏の方へ運び出した。そして、二、三本の竿を束ねて、所々を綱で結び、それを二階の露台へ立てかけた。