Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

慕住

その代り、きょうは店へ買い取って貰いたいものがあるのよ、この間、二千円と評価したけれど、千五百円に負けとくわ、儲けさして上げたり、言うことを肯いたりする、こんな若い孔雀を持って、あんたは何ていう幸福者」

と、お狒々さんの腮をつまみながら、左の指から外した指環をその鼻の先へ出して見せた。

慕住

そこの「時計の心臓」は、いつのまにか真っ暗になった。ちょうどそれが懐中時計の機械の中の紅玉石を象徴するように、赤い豆電気が三ヵ所から、寝床に向ってぼんやりした光を投げている。

ギギギと、天井の遊体歯車の一個が活動しはじめると、何処かにかくれている鐘板がジャンジャンと時の音を連震した。――お光さんはその音響に眼をさまして、さめるとすぐ無意識に、その指が、寝くたれた髪の毛を耳のうらへ掻き上げていた。

「……八時?」

と、数えていると、どこか遠い外の方で、するどい指笛が二度ばかり聞こえた。彼女は、寝床からすぐに手のとどく小さな梯子へ足をかけて、時計塔の鍵穴から首を出した。

眩ゆい宵の街光と繁華な人の流れが、眼の下に見下ろされた。しかし誰も、その夜の星空のよいことに無関心でいるように、柳田商会の時計塔の穴から、白い女の顔が、町を物色しているとは気がつかないのである。