Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

飛降り

馬車は、うねうねと、黄昏の坂路にかかった。坂のうえに、灯が見えた。あれもこれも母の枕べにともる灯かと思われた。――坂を登り切ると、軌は並木の下を縫っている。

やがて、からたちの垣根が見えた。――夕暮の空に白いペンキ塗りの赤十字病院が仰がれた。豆菊もトム公も、そこの窓の灯を見たとたんに、睫毛にぽうっとその灯が滲んでしまって、幾すじとなく熱いものが、むずがゆく頬を流れてくるのも知らなかった。

飛降り

「はい、ご通知を拝見して、非常に驚いたわけです。で早速、病室も特別室の方へお移ししておきましたから」

通された病室は、雪の夜のように白々としていた。主治医は、寝台に椅子をよせきって、無言を守っていた。助手や看護婦たちの沈黙にも、あきらかに、病人の危篤を語るものがあった。

「実は……」と、主治医は三名だけを蔭へよんで「東京からの電報も拝見しておりましたので、極力、尽しましたが、遺憾ながらお待ちしきれなかったのです。で……只今注射をしましたから」

「どうも、万、やむを得んことでござります」と、老家令は沈痛な低声で言った。

そばに、俯向いていた女将が、しゅくッと嗚咽をして、突然、袖口をかみながら背を向けたので、二人もはっとして、寝床の方へ眼をふり向けた。