Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

商館の通勤者、税関吏、お茶場女、燈台局の官員さん、沖仲仕、生糸検査所へ初めて採用された海老茶袴、すべて朝まだきの人通りは、みな彼らに道をひらいた。先生に、そうせよと教えられているのか、小学生は、脱帽した。

そんな時、彼らが、俥上から捨てる葉巻の吸いかけを見ると、きっと、パンへ飛びつく痩せ犬のように、頭から南京米の麻袋をかぶっている男が、鳶のようにあらわれて、攫い取るように、自分の口へ横に咥えた。

だから彼等が、どんなにジャップを軽蔑し、また開港場の我利我利人種も、それに対していかに、安ッぽく媚び諂ったことか。

横浜で屈指といわれる豪商でも、ここぞと思う大商いをする時は、船の碇泊期間だけ、目ぼしい外人を生擒っておくため自分の妻、妾、娘さえ提供するのがあるというほどに。で、北仲通りの高瀬商会などにも、チョイチョイそんなのが出入りする。

そのためにか、店の横から裏通りへとおして華麗な、和洋折衷の青楼とも住宅ともつかないものがあって、今朝も、ふたりの洋人が、濁った眼をして、桟橋へ帰った。

それを、送り出すと、夫人お槙は、伸びをして、やけに、ひとりで肩を叩きながら、まだ煙草の煙の濁っている西洋間の長椅子へ、自分を抛り出していた。