Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

「どこ? どこ?」

「どこだって、いいじゃないか」

「いけない、いけない」

黒眼鏡はあわてて手を振って、

「尾いて来ちゃいかん」

と、睨む真似をして、早足に五、六歩離れると、またふり顧って、ついと屋上に時計塔のある柳田商会の小売部へはいった。

豆菊とひとりの若い芸妓は、しばらく、街路樹の下にたたずんでいたが、通りかかる外国人に、ステッキで指されたり、顔を知っている新聞社の原稿給仕が、わざと自転車を向けて来たり、撒水車が来たりするので、居たたまれないで、なんども、柳田商会のまえを行ったり来たりしていた。

時間を約束してあるので、小売部の金庫のまえには、豚のごとく肥えた老主人が、お光さんの所謂狒々然たる精力的な精力を、為すことなく、退屈させていた。

「どうでしょうか、昨日の指環は」

と、黒眼鏡は、店の椅子に腰をかけて、

「買ってくれませんか」

と、切り出した。

老主人は鈍角な赤ら鼻を上げて、

「拝見いたしました」

と、不明瞭に、ていねいに答えた。

「値だんですか、そちらで、考えているのは」

「ま……それもございますが」

「少しゃ、引いても、いいですよ」

「はい」

「一・半カラットは十分にあるんですからな。