Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lisez かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 006 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

職長と飼主の間に、流暢な外語で、交渉が始まった。しかし、交渉はすぐに破裂して、飼主は、傲然と首を振った。理論に於て、上級船員たちも、取做しがつかなかった。ただ船長の裁判権に解決を待つよりほかはない。

「ふうッ……」

船長は当惑そうに首を振り動かした。

「射殺して下さい」

婦人はまた、それをくり返した。

職長も口をそえた。

「船渠の底へでも落されたらそれッきりです」

発電所の煙突は、時間どおり、黒煙を吐いて怒濤のように、海水を吐き入れていた。一時の汽笛が鳴っても、職工たちは、わいわいとさわいで、就業にかかりそうもない。

「困りましたなあ」

「ほんとに、どうして下さるの」

「船長!」

職長は、時計を示しながら、

「三時四十分に出渠できないと、一日延びますが」

「それは、いかんです」

「会社こそ困ります。次の入渠船へ、莫大な違約料をとられますからな」

船長は大きくうなずいて、ボーイに短銃を取りにやった。短銃は空へ向けられた。空の猿と甲板の飼主とは、主従で腹をあわしているように船長へ歯をむいて吠えた。

短銃を見せても、猿は下りて来ない。問題は紛糾した。相互の感情と利害は妥協の余地が見出せないように相反している。