Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

名医でもだめだと、参得さんの云うのも聞いていたんだ」

そして喜兵衛は眼をあき、娘を見て唇に微笑をうかべた。

「わかるだろう」と喜兵衛は云った、「私はまだ死にはしない、ゆうべ吐いたのは、残っていた悪い血だ、病気の根になっていた悪い血が、ゆうべできれいに出てしまった、医者にはわからないが、私にはそれがよくわかるんだ、きょうほど、――」と云って喜兵衛はまた眼をつむった、「この病気になってから、きょうほど気持の軽くなったことはない、胸の中も洗ったようにさっぱりしたよ」

「よかったわ、よかったわお父つぁん」とおしのが云った、「でも話はもうそのくらいにして、少し眠って下さいな」

「ああ眠ろう」喜兵衛は云った、「私は眠るから、おまえもつまらない心配はしないでおくれ、――みんなが来たようだね」

おしのは振り返った。すぐに襖があいて、番頭、手代をはじめ店の者がぜんぶはいって来、襖際に並んで坐った。

「私がそう云ったんだ」と喜兵衛が云った、「おまえが挨拶をしておくれ」

おしのは向き直った。

「明けましておめでとうございます」と番頭の嘉助が両手を突いて低頭した。他の者も一斉に低頭し、嘉助が続けた、「昨年ちゅうはお世話になりました、今年はお店もますます御繁昌、私共もまたどうぞよろしくお願い申します」