Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

Lisez 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) de 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 812 caractères · 248 écrans

Aozora Bunko

唯円退場。善鸞しばらく立ったまま動かずにいる。やがて部屋の中をあちこち歩く。それから柱に背をあてて立ったままじっと考えている。

浅香絹張りの行灯を持ちて登場。入り口に立ちながら善鸞を見る。善鸞浅香に気がつかずにじっとしている。

浅香 善鸞様。

善鸞 (浅香を見る)浅香お前はどう思う。ここに父と子とがある。父は諸天の恵みに浴して民は聖者と仰いでいる。子は酒肉におぼれて人は蕩児とさげすんでいる。父と子とは浮き世の義理に隔てられつつ互いに慕うている……

浅香 まあ、だしぬけに……(注意を集中する)

善鸞 互いに飢えている。しかし会えば父の周囲の美しい平和が傷つけられる。人々は猜疑と嫌悪の眉をひそめる。父の一身に非難が集まる。その時に子はどうしたらよいのであろう。会うのがよいか会わぬがよいか。

浅香 (声をふるわす)会わぬがよい。

善鸞 もし父が招いたら、迷える子よ、かえって来よと言ったら。

浅香 (苦しげに)会わぬがよい。

善鸞 おゝ。(よろめく。柱で身をささえる)

浅香 善鸞様。善鸞様。(はせよって善鸞を抱く)

善鸞 私はわからない。私は思いにあまる。私は……助けてくれ。