Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lisez 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) de 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 812 caractères · 248 écrans
来た当座は泣いてばかりいましたわ。けれど泣いたとて、どうもなるのではなし、くよくよ思うだけ損だと思って、いっさい考えない事にしてしまったのよ。きょう一日がどうにか過ごされさえすればいいと思うことにしたのよ。だって行く末の事を案じだしたら、心細くて、とてもこうやってはいられなくなりますもの。
浅香 私もあなたのような気分になりたいと思うのよ。またそうなるよりほかにしかたもないのですしね。けれど生まれつき苦労性とでもいうのでしょうかね。ものが気になってならないのよ。(間)私もね。もう行く末の事などそんなに考えはしないのよ。だけどきょうの一日が味気なくて、さびしくてならないの。
村萩 あなたはほんとうに陰気なかたね。あなたと話していると私までつり込まれてさびしくなるわ。そして忘れている――というよりも、忘れようと努めている不幸を新しく思い出しますわ。(間)えゝ。よしましょう。よしましょう。こんな気のめいるようなお話は。今は陽気な春ではありませんか。もっと楽しい話でもしましょうよ。
浅香 ほんに春の宵なのね。
村萩 町も春めいてずいぶん陽気になりましたよ。今晩方も店に出ていたら、格子の外を軽そうな下駄の音などして、通る人は花のうわさをしていましたよ。