Classiques japonais avec furigana
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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
Lisez 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) de 野村 あらえびす (のむらあらえびす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 837 caractères · 680 écrans
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタはほとんどことごとくが華麗であり、ドイツあたりでは、十曲の連続演奏を聴くことも決して珍しくないと言われているが、日本では実演に接する機会の極めて稀な曲もあり、十曲全部の録音は、いろいろの意味で興味の深いことである。
この中で、『クロイツェル・ソナタ』と『スプリング・ソナタ』の有名なことは、ここに贅するまでもない。『クロイツェル・ソナタ』が、トルストイの小説にその題名を借りられたが故に、あるいは実質以上に艶麗妖美な曲とされ、およそ官能的な音楽の尤なるもののように思われがちであるが、実際の音楽は、雄大瑰麗を極めているにしても、決して後世のある種の音楽のごとく、官能的に流れ過ぎるようなことはない。『スプリング・ソナタ』は『クロイツェル』よりさらに甘美で、トルストイはこの曲をこそ小説の題名とすべきであったと思う。
とにもかくにも、この二曲は極めて代表的なもので、これを以てベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは尽きるように思う人もあるが、それは大変な早計である。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを論ずる場合には、むしろ第十番目のト長調のソナタの雄渾壮麗さを逸するわけには行かない。