Classiques japonais avec furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 400 caractères · 387 écrans
寺へでもお墓詣りにいらした帰りでしょう、よくこの先の坂のところで奥様をお見掛けしたものですが、お二人ともまるで絵にでも描いたような美しさでしてな。わしどもにお逢いになると向うからにっこり笑って会釈をなさったですが、こんな村にでも住んでて下さらなけりゃ、わしどもにはとても見てえったってもあんなお美しい方にはお眼にも掛かれなかったわけですが」
と茂十さんはちょうどそこへ珍しそうに出て来た十歳くらいの色黒々として洟を垂らした汚らしい子供を眺め眺め、そんなことを言っていた。
ともかくこれ以上の細かいことは村と交際をしていなかったのだから、茂十さんにもわかっていないらしいのであったが、大体これで私には日野涼子やあの少年のことも呑み込めたような気がした。
もちろん以上のような話も私にとっては満更興味のなかったことではない、興味があったればこそこうやってじっと耳を傾けてもいたようなわけであったし、それのみならず私にはまだまだ聞いてみたいことが山ほどあった。第一にそんな立派な家庭ともあろうものが、なぜ故郷でも何でもないこんなお墓詣りをするのに不便な逗子あたりの、しかもあんな荒れ果てた了雲寺なぞにお墓を設けているのか、そしてなぜお墓をもっと掃除でもして顧みてやらないのか、それに一体全体あの了雲寺という寺には住持なり墓守り