Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Lisez 玉藻の前 (たまものまえ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 703 caractères · 261 écrans
三
「予が受け合うた。大納言など頼んでいては埒があかぬ。近日のうちに、忠通が病気を押して昇殿する。とこうの故障を申し立つる者があったら、予が直きじきに言い伏せて見する。はは、今度こそ……今度こそはじゃ」
忠通は気味の悪いような声を出して、のけぞりながら高く笑った。玉藻のひとみも怪しくかがやいた。
三
「ほう、千枝まよ。いつ戻ったぞ」
陶器師の翁は笑いながら見返った。彼は手づくりの壺をすこし片寄せながら、狭い仕事場の入口に千枝太郎を招き入れた。
「この頃は家に戻っているとかいう噂を聞いたが、なぜ早う訪ねて来てはくれぬ。婆めは死ぬ。隣りの藻の家は引っ越してしもうて馴染みの薄い人が移って来る。ここらでも四年五年といううちには、住む人がだんだんに移り変わって、むかし馴染みの減るのが寂しい。して、お前はなぜお師匠さまの屋敷から戻って来た。都の奉公はつらいかの」
千枝太郎は黙って、すだれの隙き間からさし込む秋の日が仕事場のぬれた土を白っぽく照らしているのを眺めていたが、やがて沈んだ声で言った。
「わしはお師匠さまから勘当された」
「勘当……」と、翁も白い眉に浪を打たせた。