Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Lisez 玉藻の前 (たまものまえ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 703 caractères · 261 écrans
二
泰親はよい時に生まれあわせた。わしの力で悪魔を取り鎮めて、世の暗闇を救うことが出来れば、末代までも家の誉れじゃ」
泰親は、力強い声で言った。
二
「阿闍梨も気が狂うたそうな」
丁度それと同じ頃に、おなじ詞が関白の屋形にある玉藻の口からも洩れた。彼女は兼輔の文によってそれを知ったらしく、その文を繰り返して見入っていた。文は阿闍梨の病気のことを報らせて、自分は今夜その見舞いに法性寺へ参ろうと思うが、お身も一緒にまいらぬかという誘いの文句であった。
阿闍梨と兼輔とは叔父甥の親しい仲である。それが唯ならぬ病いに悩んでいると聞いたらば、何を差しおいても直ぐに見舞うべき筈であるのに、わざわざ女子を誘ってゆく。しかも夜を択んでゆく。兼輔の本心が叔父の病気見舞いでないことは見え透いていたが、玉藻は躊躇せずに承知の返事をかいた。しかし若い男がたびたび誘いに来られては、主人の手前、余人の思惑、自分もまことに心苦しいから、四条の河原で待ち合わせてくれと言ってやった。
日の暮れるのを待って、玉藻は屋形を忍んで出た。暦はもう卯月に入って、昼間から雨気を含んだ暗い宵であった。その昔、一条戻り橋にあらわれたという鬼女のように、彼女は薄絹の被衣を眉深にかぶって、屋形の四足門からまだ半町とは踏み出さないうちに、暗い木の蔭から一人の大きい男が