Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たまものまえ

玉藻の前

岡本 綺堂

Lisez 玉藻の前 (たまものまえ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 703 caractères · 261 écrans

Aozora Bunko

ていた。花は紅ばかりでない、紫も白も黒も黄も灼けるような強い日光にただれて、見るから毒々しい色を噴き出していた。その花の根にはおそろしい毒蛇の群れが紅い舌を吐いて遊んでいた。

「ここはどこであろう」

千枝松は驚異の眼をみはって唯ぼんやりと眺めていると、一種異様の音楽がどこからか響いて来た。京の或る分限者が山科の寺で法会を営んだときに、大勢の尊い僧たちが本堂にあつまって経を誦した。その時に彼は寺の庭にまぎれ込んでその音楽に聞き惚れて、なんとも言われない荘厳の感に打たれたことがあったが、今聞いている音楽のひびきも幾らかそれに似ていて、しかも人の魂をとろかすような妖麗なものであった。彼は酔ったような心持で、その楽の音の流れて来る方をそっと窺うと、日本の長柄の唐傘に似て、その縁へ青や白の涼しげな瓔珞を長く垂れたものを、四人の痩せた男がめいめいに高くささげて来た。男はみな跣足で、薄い鼠色の着物をきて、胸のあたりを露わに見せていた。それにつづいて、水色のうすものを着た八人の女が唐団扇のようなものを捧げて来た。その次に小山のような巨大い獣がゆるぎ出して来た。千枝松は寺の懸け絵で見たことがあるので、それが象という天竺の獣であることを直ぐに覚った。