Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lisez 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 386 caractères · 248 écrans

Aozora Bunko

開会を待つ間、控室で、吉川氏と話していると、氏はこんなことを言い出したものである。

「今夜は一つ、小説というもののタネあかしをして、主人公以下ことごとく、架空の人物だということを話そう」

私は、びっくりして、手を振った。

「それは、いけない。小説の読者というものは、作品の中の人物を、みんな九郎判官義経ほどの実在人物だと思っているのだ。江戸三国志のお蝶も万太郎も、丹頂のお久米も、馬春堂も、読者の胸の中に、はっきりと生きて、共に悲しみ、共に悩んでいるのだ。その幻影をこわしては、いけない」

吉川氏も、すぐにうなずいて、その夜の講演は、適当に、要領よくやってくれたことはいうまでもない。

熱海には、お宮の松があり、逗子には、浪子不動がある。浅草には、われわれ捕物作家クラブが建てた半七塚がある。京都や大阪には、浄瑠璃や小説の主人公の墓が保存されているそうだ。岡本綺堂先生は、不滅の傑作『修禅寺物語』の中で、夜叉王だけは創作した人物だと、はっきり、ことわってあるけれど、夜叉王屋敷の跡が、今では名所の一つになっている。

私たちは、妙な時代に生れ合わして、幾多の銅像や記念碑が、片っぱしから鋳つぶされたのを、いやになるほど見て来ている。