Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Leggi 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.635 caratteri · 306 schermate

Aozora Bunko

――で、こよいこそと、それがし自身、待ちかまえて、袋づつみにしましたが、若年とはいえ――また、見たところ、仰せの如く、病人か女のような弱々しい姿に似気なく、死にもの狂いに抵抗し、味方の兵を、八、九人まで斬りつづけました」

「……ふうム?」

順昭は、呻きながら、毅然としている捕虜の色白な面に、じいっと、眸をすえたまま聞いていた。

「――憎ッくい小冠者めがと、それがしが槍を突けると、それにおる野添盛八、漆間八郎右衛門の両人も、左右から力を協せ、追いつめ追いつめ、扇形の空濠の窪へ、敵が足ふみ外して転げ落ちたので――討つなと、野添の槍を止めて、引っ縛げて参ったのでござります。――縛め捕ってから気づいたのは、意外にも、それが城主柳生家厳の息子であったということです。さして手柄とも存じませぬが、他ならぬ敵将の嫡子、君前に献げるのが至当と考え、物々しゅう思し召されましたろうが、ともあれこれへ引っ立てて来た次第でございまする」

「そうか。……いや、よく縛めて来た」

順昭は、初めの気色を改めて、

「小冠者、面を上げろ」

と、柳生新介を、睨めつけて、もう語気の端にも、不愍などはかけていなかった。