Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Leggi 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.635 caratteri · 306 schermate

Aozora Bunko

六

「承知いたした。御提示の条件をもって、宿怨を水に流し、改めて、隣交の誼みを結び申そう」

と、筒井順昭は、一言に許した。

思えば危うい限りだった小柳生の城も――天慶以来つづいて来た柳生ノ庄七千石の領土も――ために、計らずも無事なるを得た。筒井家の属国的な位地に落ちたことはぜひもなかったが、ともあれ新介の身一つで、父家厳以下、多くの家臣までも、一応は滅亡の淵から救われた。

六

兵は強く、領土は広い。

覇業を成した人物だけあって、筒井順昭は、やはり一世の雄であった。

彼に足らないものは、子であった。女子のみが多いのである。一男は夭折し、その下の藤勝はまだ幼い。

「他家の質子ながら、新介ほどの嫡男があれば」

とは、彼がいつも独り思うことだった。

合戦には十分に勝っていながら、また、筒井家とは比較にならぬほど領地も狭いし兵力も乏しい柳生家と、対等に近い和議を容れたのも、捕虜として連れて来た新介の飽くまで毅然たる態度と、一族を思う至誠に動かされた結果だった。

「藤勝。そちもちと、新介を見習えよ。いつまでも家臣どもに甘やかされて駄々ばかり捏ている和子様であってはならぬぞ。