Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Leggi 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.635 caratteri · 306 schermate

Aozora Bunko

「宗矩にも遙々見えられたか……」

と、将軍家へ対して済まないような呟きをもらした。

枕頭には、門下の木村助九郎、庄田喜左衛門、出淵孫兵衛、その他、多くの直門がみまもっていた。

その人々もみな、紀州家へ、仙台家へ、浅野家へ、各※(二の字点、1-2-22)仕官して一流一派をもう立てている者たちだった。

「心にかかるものもない」

石舟斎は、自分という巨幹から、枝となり葉となり花となり実となっている一門の子弟をながめて、むしろ楽しげであった。

諸家からの訪問、諸侯自身の見舞も絶えなかった。

泉州の沢庵などが見えた日は、病室には談笑の声さえ聞えた。奈良の宝蔵院胤栄は、かれよりも十数年まえに歿していた。

冬が近づく。極寒に入る。

病は篤くなるばかりだった。

かれは一日、病臥のまま、その枕頭に、宗矩ひとりだけを招いて、

「見国の機――という旨を心得ておるか」

と、たずねた。

宗矩がつつしんで教えを乞うと、

「見国の機とは、兵法を通じて、一国の情勢を視ることである。剣理を基本として、経世民治の要を知ることじゃ」

と、云い、またやがて、

「そちは常に将軍家に対し、どういう心を旨として、剣を御師範申しあげておるか」