Classici giapponesi con furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Leggi 古事記物語 (こじきものがたり) di 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.723 caratteri · 191 schermate
すると女神は、残念そうに、
「それならば、もっと早く迎えにいらしってくださいませばよいものを。私はもはや、この国のけがれた火で炊いたものを食べましたから、もう二度とあちらへ帰ることはできますまい。しかし、せっかくおいでくださいましたのですから、ともかくいちおう黄泉の神たちに相談をしてみましょう。どうぞその間は、どんなことがありましても、けっして私の姿をご覧にならないでくださいましな。後生でございますから」と、女神はかたくそう申しあげておいて、御殿の奥へおはいりになりました。
伊弉諾神は永い間戸口にじっと待っていらっしゃいました。しかし、女神は、それなり、いつまでたっても出ていらっしゃいません。伊弉諾神はしまいには、もう待ちどおしくてたまらなくなって、とうとう、左のびんのくしをおぬきになり、その片はしの、大歯を一本欠き取って、それへ火をともして、わずかにやみの中をてらしながら、足さぐりに、御殿の中深くはいっておいでになりました。
そうすると、御殿のいちばん奥に、女神は寝ていらっしゃいました。そのお姿をあかりでご覧になりますと、おからだじゅうは、もうすっかりべとべとに腐りくずれていて、臭い臭いいやなにおいが、ぷんぷん鼻へきました。