Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
……墓場からよみがえった畑柳は、その儘の容貌では、すぐ捕まってしまうので、非常な苦痛を忍んで、硫酸か何かで、顔を焼きくずしてしまったのです。そして、全く別人となって、即ち唇のない怪物となって再びこの世に現われて来ました」
「だが、変ですね。畑柳の刑期は、たしか七年だったと思いますが、なぜそれを待たなかったのでしょう。何も顔を焼く様なことをしなくても、……」
恒川氏は、明智の説明が、どうも腑に落ちぬのだ。
「恒川さん、あなたはまさか、杉村宝石店の盗難事件をお忘れではありますまいね」
明智はニコニコしながら、突然妙なことをいい出した。
「エ、杉村宝石店の……覚えていますとも、しかし、それがどうかしたのですか」
「去年の三月でしたね。杉村宝石店の金庫が破られ、二名の店員が惨殺されていたのは」
「そうです。非常に巧妙な犯罪でした。残念ながら、今以て何の手懸かりもつかみ得ないのです」
「それから、早瀬時計店の盗難、小倉男爵家の有名なダイヤモンド事件、北小路侯爵夫人の首飾り盗難事件、……」
「アア、君もやっぱり、そこへ気づいていたのですね。そうです。皆同じ手口でした。僕等も犯人は同一人物とにらんで、捜査を続けていたのです」