Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
十五
そうしてこの道をもう少し辛抱強く先へ押して行ったら、自分が今まで経験した事のない浪漫的な或物にぶつかるかも知れないと考え出す。すると田口の玄関で怒ったなり、あの女の研究まで投げてしまった自分の短気を、自分の好奇心に釣り合わない弱味だと思い始める。
職業についても、あんな些細な行違のために愛想づかしをたとい一句でも口にして、自分と田口の敷居を高くするはずではなかったと思う。あれでできるともできないとも、まだ方のつかない未来を中途半端に仕切ってしまった。そうして好んで煮きらない思いに悩んでいる姿になってしまった。須永の母の保証するところでは、田口という老人は見かけに寄らない親切気のある人だそうだから、あるいは旅行から帰って来た上で、また改めて会ってくれないとも限らない。が、こっちからもう一遍会見の都合を問い合せたりなどして、常識のない馬鹿だと軽蔑まれてもつまらない。けれどもどの道突き抜けた心持をしっかり捕まえるためには馬鹿と云われるまでも、そこまで突っかけて行く必要があるだろう。――敬太郎は屈託しながらもいろいろ考えた。
十五
けれども身の一大事を即座に決定するという非常な場合と違って、敬太郎の思案には屈託の裏に、どこか呑気なものがふわふわしていた。