Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
六
二人だって、そうと知った上で、今までの睦まじさを回顧した時の方が、どんなに愉快が多いだろう。少なくとも僕ならそうだ。それで僕は市蔵のために特にこの美くしい点を力のあらん限り彩る事を怠らなかった。
六
「おれはそう思うんだ。だから少しも隠す必要を認めていない。御前だって健全な精神を持っているなら、おれと同じように思うべきはずじゃないか。もしそう思う事ができないというなら、それがすなわち御前の僻みだ。解ったかな」
「解りました。善く解りました」と市蔵が答えた。僕は「解ったらそれで好い、もうその問題についてかれこれというのは止しにしようよ」と云った。
「もう止します。もうけっしてこの事について、あなたを煩らわす日は来ないでしょう。なるほどあなたのおっしゃる通り僕は僻んだ解釈ばかりしていたのです。僕はあなたの御話を聞くまでは非常に怖かったです。胸の肉が縮まるほど怖かったです。けれども御話を聞いてすべてが明白になったら、かえって安心して気が楽になりました。もう怖い事も不安な事もありません。その代り何だか急に心細くなりました。淋しいです。世の中にたった一人立っているような気がします」