Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate

Aozora Bunko

二十

僕は固より行くつもりでも何でもなかったのだから、この変化は僕に取って少し意外の感があった。気楽そうに見える叔父はそのうち大きな鼾声をかき始めた。吾一もすやすや寝入った。ただ僕だけは開いている眼をわざと閉じて、更けるまでいろいろな事を考えた。

二十

翌日眼が覚めると、隣に寝ていた吾一の姿がいつの間にかもう見えなくなっていた。僕は寝足らない頭を枕の上に着けて、夢とも思索とも名のつかない路を辿りながら、時々別種の人間を偸み見るような好奇心をもって、叔父の寝顔を眺めた。そうして僕も寝ている時は、傍から見ると、やはりこう苦がない顔をしているのだろうかと考えなどした。そこへ吾一が這入って来て、市さんどうだろう天気はと相談した。ちょっと起きて見ろと促がすので、起き上って縁側へ出ると、海の方には一面に柔かい靄の幕がかかって、近い岬の木立さえ常の色には見えなかった。降ってるのかねと僕は聞いた。吾一はすぐ庭先へ飛び下りて、空を眺め出したが、少し降ってると答えた。

彼は今日の船遊びの中止を深く気遣うもののごとく、二人の姉まで縁側へ引張出して、しきりにどうだろうどうだろうをくり返した。