Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate

Aozora Bunko

松本の話

一

高木さんは紳士だからあなたを容れる雅量がいくらでもあるのに、あなたは高木さんを容れる事がけっしてできない。卑怯だからです」

松本の話

一

それから市蔵と千代子との間がどうなったか僕は知らない。別にどうもならないんだろう。少なくとも傍で見ていると、二人の関係は昔から今日に至るまで全く変らないようだ。二人に聞けばいろいろな事を云うだろうが、それはその時限りの気分に制せられて、まことしやかに前後に通じない嘘を、永久の価値あるごとく話すのだと思えば間違ない。僕はそう信じている。

あの事件ならその当時僕も聞かされた。しかも両方から聞かされた。あれは誤解でも何でもない。両方でそう信じているので、そうしてその信じ方に両方とも無理がないのだから、極めてもっともな衝突と云わなければならない。したがって夫婦になろうが、友達として暮らそうが、あの衝突だけはとうてい免かれる事のできない、まあ二人の持って生れた、因果と見るよりほかに仕方がなかろう。ところが不幸にも二人はある意味で密接に引きつけられている。しかもその引きつけられ方がまた傍のものにどうする権威もない宿命の力で支配されているんだから恐ろしい。