Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
風呂の後
一
が、ついそれを試みる機会もなくて今日まで過ぎたのであるから、もし自分の手際が許すならばこの「彼岸過迄」をかねての思わく通りに作り上げたいと考えている。けれども小説は建築家の図面と違って、いくら下手でも活動と発展を含まない訳に行かないので、たとい自分が作るとは云いながら、自分の計画通りに進行しかねる場合がよく起って来るのは、普通の実世間において吾々の企てが意外の障害を受けて予期のごとくに纏まらないのと一般である。したがってこれはずっと書進んで見ないとちょっと分らない全く未来に属する問題かも知れない。けれどもよし旨く行かなくっても、離れるともつくとも片のつかない短篇が続くだけの事だろうとは予想できる。自分はそれでも差支えなかろうと思っている。
(明治四十五年一月此作を朝日新聞に公けにしたる時の緒言)
風呂の後
一
敬太郎はそれほど験の見えないこの間からの運動と奔走に少し厭気が注して来た。元々頑丈にできた身体だから単に馳け歩くという労力だけなら大して苦にもなるまいとは自分でも承知しているが、思う事が引っ懸ったなり居据って動かなかったり、または引っ懸ろうとして手を出す途端にすぽりと外れたりする反間が度重なるに連れて、身体よりも頭の方がだんだん云う事を聞かなくなって来た。