Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
と、陳達が答えた。
「獄中のままいのちだけは、延ばされているんじゃないかと思われます」
「どうして、それが保証できる」
「五日ほど前、都へ向って、奉行の急使が立って行きました。ですから二人の身の処分は、朝廷のさしずを待って、おこなわれるものに相違ございませぬ」
「――軍師」
と、宋江はまた、呉用にむかって。
「何か、よいお手策がありましょうか。ともあれ、二人のいのちは、命旦夕と思わねばなりませんが」
「ま――お急ぎあるな。いちど城下へ出て、とにかく、城中の雲気を篤と窺ッてからのことですよ」
呉用は、一小隊をべつに編制して、宋江と共に、その夜から翌夕にかけ、華州の城下へといそぎだした。そして城下の小高い所に立ち、折ふし時も二月の月夜、月下の城と、城のうしろ、山波の彼方まで、昼かのような、西岳華山のながめにしばし佇んだ。
空には片雲の影もない。地に光るのは水であろう。それは濠をなして、華陰城の城壁の下を稲妻形にめぐッている。
その不落をほこる城楼も巍峨たる姿だが、さすが霊山の華岳はもっと神々しい。仙掌ノ峰、雲台ノ観。斧をならべたような石峰。李龍眠の墨の画筆で“月夜山水図”を宇宙へ一ト刷きしたような景である。