Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
欧洲の戦乱はどんなに東京の方の留守宅の人達を驚かしたであろう。節子からもそれを心配した手紙をくれた。岸本は彼女や子供に宛てて記念の絵葉書を送る気に成った。仮令僅かの言葉でもこうして姪の許へ書くというのは、旅に来てからの岸本には珍らしいことであった。彼は姪へ送るためにサン・テチエンヌ寺の遠景に見える絵葉書を選び、泉太へ送るために羊の群の見える牧場のついた絵葉書を選んだ。前のはヴィエンヌ河の手前から取った風景で、樹木から道路から橋までが彼には既に親しみのあるものであり、遠く古い石塔の聳え立つ寺院は弥撒などのある度によく彼の行って腰掛ける場処であった。後のは森を背景にした牧場のさまで、遠く森の間に一軒の田舎家も見えた。浅い谷間の草を食いに来る羊の群、その柔和な長い耳、細い足――そうしためずらしい仏蘭西の田舎の光景は国の方に留守居する子供等の眼を悦ばすであろうと思われた。すこし行けばツウルウズ街道(仏蘭西国道)に出られる彼の宿の周囲には、その絵葉書に見るような牧場が行先に展けていた。
書いた葉書を投函するために岸本は宿を出た。日本人をめずらしがって煩く彼に附纏うた界隈の子供等も、二月ばかり経つうちに彼を友達扱いにするものも多かった。