Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
八十一
あだかも法律を談ずる日本の弁護士ともあるべき人が日本の芸術界の消息に通じていない筈はないという調子で。その弁護士は滝の名も聞いたことがないと答えたので、老婦人は主人や岸本を前に置いて平素にない苛酷しい調子を出して言った。
「お二人とも御存じが無い」
主人はまた東洋の果にあるマドマゼエルの身を案じ顔に、黙ってお母さんの前に立っていた。
八十一
岸本は自分をこの仏蘭西人の家族に紹介してくれたマドマゼエルの為に、日本の空を慕って行ったという可憐な人の為に、出来るだけその滝という美術家のことを調べて見て、遠く離れて心配している叔母さん達を安心させたいと思った。ビヨンクウルの家を辞して、ポプリエの並木の続いた岸づたいに河蒸汽の乗場へ下りて行く道すがらも、彼は自分で自分に尋ねて見た。何故ビヨンクウルの人達はあれほどマドマゼエルの結婚を心配するのであろうかと。
「相手方が日本人だからではないか――」
答はどうしてもそこへ落ちて行った。船に乗ってからも岸本はあのマドマゼエルの異国趣味が日本人と結婚するところまで突きつめて行ったかと思いやった。
それから数日の後、岸本はマドマゼエルの配偶者に就いて好い話を聞き込んだ。