Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
三十一
三十一
「や。どうも久しぶりで出て来た。今停車場から来たばかりで、まだ宿屋へも寄らないところだ。今度は大分用事もあるし、そうゆっくりしてもいられないが――まあ、すこし話して行こう。子供も皆丈夫でいるかね」
義雄は外套を脱ぎながらもこんな話をして、久しぶりで弟を見るばかりでなく、娘をも見るという風に、そこへ来て帽子や外套を受取ろうとする節子へも言葉を掛けた。
「節ちゃんも相変らず働いてるね」
それを聞くと、岸本は何事も知らずにいる兄の顔を見ることさえも出来なかった。久しぶりで上京した人を迎え顔に、下座敷の内をあちこちと歩き廻った。
「どれ、お茶の一ぱいも御馳走に成って行こう」
と言いながら、勝手を知った兄は自分から先に立って二階の座敷へ上った。この兄と対い合って見ると、岸本は思うことも言出しかねて、外国の旅の思立ちだけしか話すことが出来なかった。留守中の子供のことだけを兄に頼んだ。「そいつは面白いぞ」と義雄は相変らずの元気で、「俺の家でもこれから大いに発展しようというところだ。近いうちに国の方のものを東京へ呼ぶつもりでいたところだ。貴様が家を見つけて置いてくれさえすれば、子供の世話は俺の方で引受けた」