Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
百
「君の国だって奇麗なところも有り、そうで無いところも有るでしょう――僕等の国もその通りでさ」
「日本の海はどんな色でしょう」と復た少年が訊いた。「黄色でしょうか」
「どうして君、青い色でさ――透明な青い色でさ――それは美しい海ですよ」
怜悧そうな少年の瞳に見入りながら岸本がそう答えると、少年はまだ見たことのない東洋の果を想像するかのように、
「透明な青い色か」と繰返した。
百
ある日、復た岸本は同じ橋の畔へ出た。黄ばんだプラタアヌの並木の葉は最早毎日のように落ちた。そこは仏蘭西国道の続いて来ているところで、橋に近い石垣の上からはヴィエンヌ河の両岸を望むことも出来、国道の並木の間にサン・テチエンヌ寺の石塔を望むことも出来るような位置にあった。何となく疲れが出て仕事も休もうと思うような日には、岸本の足はよくその橋の畔にある小さな珈琲店へ向いた。彼はそこで温めてくれる一杯の濃い珈琲を味いながら、往来の角に立つ石造りの水道栓の柱を眺め、水瓶を提げて集る婦女を眺め、その辺に腰掛けて編物する老婆の鄙びた風俗を眺めては、独りで時を送るのを楽みにした。白く斑に剥げたプラタアヌの太い幹の下あたりには、しきりと落葉を集め廻って遊んでいる子供の群も見えた。