Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
二十二
「何をするんだ。何を喧嘩するんだ――馬鹿」
と岸本が言った。泉太も、繁も、一緒に声を揚げて泣出した。
「繁ちゃんが兄さんの凧を破いたッて、それから喧嘩に成ったんですよ」と節子は繁を制えながら言った。
「泉ちゃんが打った――」と繁は父に言付けるようにして泣いた。
兄の子供は物を言おうとしても言えないという風で、口惜しそうに口唇を噛んで、もう一度弟をめがけて拳を振上げようとした。
「さあ、止した。止した」と岸本が叱るように言った。
「もうお止しなさいね。兄さんも、もうお止しなさいね」と節子も言葉を添えた。
「まあ、坊ちゃん方は何を喧嘩なすったんです」
と言って、婆やがそこへ飛んで来た頃は、まだ二人の子供は泣きじゃくりを吐いていた。
岸本は胸を踊らせながら自分の部屋へ引返して行った。硝子戸に近く行って日暮時の町を眺めた。河岸の砂揚場のところを通って誘われて来た心持が岸本の胸を往来し始めた。彼はあの水辺の悲劇を節子に結びつけて考えることすら恐ろしく思った。冷い、かすかな戦慄は人知れず彼の身を伝うように流れた。
二十二
七日ばかりも岸本はろくろく眠らなかった。独りで心配した。