Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
八十六
この下宿へは岸本は最近に台湾の方から上京した一人の学生をも伴って来ていた。もう長いこと台湾に暮している民助兄からの紹介で。仮令しばらくの間でもその青年を世話しながら一緒に住むことは、子供を控えた岸本に取って何より心強かった。最早彼は泉太や繁に取っての父親であるばかりでなく、同時に母親であった。この生活の方法は可成な時と注意と力とを子供のために割き与えねば成らなかったとは言え、大いに彼の心を安んじさせた。何となく彼は隣の家を出て、自分の家へ移って来たような思いをした。
八十六
「叔父さんはわたしの失望して通りすぎた道をこれから歩もうとしていらっしゃる。叔父さんはわたしと違って、きっと成功者ですよ――なんにも失望することが無いんですもの。この間お話をうかがって、育児などということに興味をもって来たと仰った時、一寸不思議のように思われましたが、それはやがて男と女の相違であるかも知れません。わたしは母と名のついた時からでございます、自分の失われたものの為に願ったこと、それからわたしが求めても求めても得られなかったものを他の子供にと思い立ちました。それは子供の真の要求であろうと思ったからでございます。