Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
百十
岸本は喪心した人のように煖炉の前に立って、投入れた紙片が灰に成るのを眺めていた。
百十
それぎり節子の消息は絶えた、薄暗く、陰気くさく、ろくろく日光も見られず、極く日の短い時分には午後の三時半頃には最早暮れかけて、一昼夜の大部分はあだかも夜であるかのような巴里の冬が復た旅の窓へやって来た。到頭岸本は戦時の淋しい降誕祭を迎え、子供等に別れてから二度目の年を異郷の客舎で越した。
黄なミモザの花や小さな水仙のようなナアシスに僅に春待つ心を慰める翌年の二月半のことであった。一旦消息の絶えた節子からの便りが思いがけなく岸本の許へ届いた。最早手紙は書くまいと思ったが、叔父さんから送ってくれた旅の記念の絵葉書を見るにつけても、つい禁を破ってこの便りをする気に成った、と彼女は書いてよこした。その手紙にはとかく彼女が煩い勝である事や、浅草時代の自分は何処かへ行ってしまったかと思われるほど弱くなったことや、両手にひろがった水虫のようなものは未だ癒らなくて難儀をしているということばかりでなく、母親に対して気まずい思いをしていることが今までに無い調子で書いてあった。読みかけて、岸本は眉をひそめずにはいられなかった。