Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate

Aozora Bunko

われら、今は何の慾もない。裸足で土がふみとうござる」

「ご尤もじゃ。御当家はお庭も広し、品川の海も一望。近火のせつは、各※(二の字点、1-2-22)を庭へ集める御規則ゆえ、火事でもあれば、庭を、御案内いたそうものを……」

沁みりと、伝右衛門はいった。そして、

「オ、お時計が鳴った。お寝みなされ」

と立ちかけたが、また戻って来て、

「――申し忘れたが、明日より、お奥の役者の間に、大工どもが入りますが、兇事ではござらぬゆえ、お気にかけぬように」

と、断って、詰所へ退がった。

小屏風が、幾つも取り出された。

内蔵助は、茶色のちりめん頭巾をかぶって上の間の床脇へ寝るのだった。下の間は、寝つきが早く、すぐ静かになったが、上の間では、咳の声がなかなか絶えない。

潮田又之丞は、寝入ると、歯ぎしりする癖があって、よくからかわれた。一番老年で、ことし七十六歳になる堀部弥兵衛老人が、ある夜、

「えーいっ。えーいっ」

ふた声、寝言で人を斬るような気合をかけたので、若者部屋の者が、がばっと、総立ちに起き上がって、夜半に、大笑いをしたこともあった。

厠に立つほか、昼間、何もせぬ体であっても、夜はやはり眠ることが楽しかった。