Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate

Aozora Bunko

開化の鈍人

一

「ちがう……。ま、坐れ」

「自分の身を怖れて起つのではありません、もしやお留守を襲われて、お姉上や子達が代官所の者に手荒な目にでも遭っては」

「ちがうから心配はない。あの物々しい提燈の列は、婚礼だよ」

「ア……何だ、町の婚礼ですか」

「どうせ、今宵かぎり、この国の人とも山河とも訣別てゆくおまえだから、知らないものならいうまいと思ったが、気づいたからは審に話そう。あの灯はた、お那珂さんが、糸仲買の専右衛門に、嫁に娶われてゆく仰山な明りだよ」

「…………」

磋磯之介は茫然としながら、兄の話すことを聞いていた。自分を密告したものが、自分の一番信じていたお那珂であったと知ると、彼は何だか世の中が信じられない気がして来た。

開化の鈍人

一

「おい、旗岡巡査」

「はあ」

「はあじゃないぞ貴公。人民の保護にあたる重務にある警察屯所の巡査が、日向で犬の蚤なんぞ取っとるやつがあるか。――一等巡査殿が、あちらで探しとるじゃないか」

「はあ、そうですか」

小使室の裏から、旗岡巡査はのっそり立って行った。非番巡査は、他で昼寝している者もある。彼もその非番組だったが、いい訳もしなかった。

蝉の声が、低い西洋館をつつんでいた。