Classici giapponesi con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate
「おのれ、浅ましい奴。娘の部屋から、遊びの代に、これを、盗みおったな。盗賊の所業じゃ。この、盗賊めがっ」
「お父様っ……」
ふいに、彼の足もとへ、お麗が走りよって泣き倒れた。
「私が、上げたのでございます。修蔵様に」
「な、なんじゃと、……貴様が、修蔵にやった?」
「はい、どうしても、お要用だというお話なので」
「たわけ者っ!」
額から、呶鳴りつけて、
「母をよべっ。――お磯っ」
「はい……」
後ろに来て、悄然としていた。
「お前も、お前だぞっ。よう聞けっ、この馬鹿娘が、この遊蕩児に、遊びの代を、貢いでおるのじゃっ。――貴様っ、母として、なぜそんなことに気づかん。不行届き千万なっ」
「お詫びいたしまする。まったく、私の……」
「生ぬるいっ。そんな詫言で済もうか。そちと、お麗の糺明は、後でする。――まず修蔵だ」
手を離して、
「修蔵、出て行けっ」
「…………」
しゅくっと、お麗が泣いたのに誘われて、お磯も、修蔵も、涙をながした。
「見るも、けがれだっ。おのれのような柔弱武士に、赤穂の衆の爪の垢でも煎じてのませたら、少しは、人間らしい魂にもなろうか。ちっとは、世間で、あの衆の噂もその耳に聞くであろうに、呆れかえった大馬鹿。