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Classici giapponesi con furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate

Aozora Bunko

その要所要所に、柵が見え、旗差物が濡れて立ち、人馬が点々と望まれた。西軍石田三成以下、小西、小早川、毛利、長束、安国寺、長曾我部、浮田、大谷――などの八万――或いは十余万とも号している大軍の陣営である。

もう、各所で戦端はひらかれている。

泥になって殺到した東軍と。

その東軍の総帥徳川家康は、桃配山に本営をおいていた。

見ると。

松尾、南宮、平野をのぞく以外は、すべて戦闘の喚声だった。

(この一隙に――)

と、三成は思った。

家康の本拠を衝けば、必勝は疑いない。

彼は、笹尾の丸山に立って、

「刑部は?」

と、一方を凝視した。

こんどの乾坤一擲に、彼が、誰よりも頼みとしているのは、大谷刑部である。その刑部の陣は、もう関ノ藤川を渡りこえて、東軍の藤堂、京極、織田の大軍へ、奮刃をあげて、ぶつかっているのだ。

があっーん、

だだだだっ、

というような地崩れとも砲声ともつかない音響に交じって、人馬の声と、金属的な響きとが、絶えず鼓膜を圧してくる。鉢金に締めつけている頭脳が、時々、じいんと、痛んで鳴る。

「やっている……」

三成は、見えない友の姿へ、微笑を送った。